月別アーカイブ: 2014年3月

座談会:萩尾望都

毎回テーマを設定し、そのテーマを愛する人たちを集めて大いに語ってもらう座談会企画。
第1回のテーマは少女漫画家・萩尾望都。
萩尾望都作品との出会いやその魅力について、いずみ、なおこ、めぐみの20代女子3人に語っていただきました。

※ 萩尾望都とは…
少女漫画家。1949年生まれ。竹宮恵子、大島弓子らとともに「花の24年組」と称される。
代表作は「ポーの一族」「トーマの心臓」「11人いる!」「残酷な神が支配する」「バルバラ異界」など。
2012年、少女漫画家としては史上初の紫綬褒章を受章した。

2014年3月8日、大阪市内の某カフェにて

第1回座談会:萩尾望都
ー今日はよろしくおねがいします。

一同)
よろしくおねがいします。

ー萩尾望都と言えば、みなさんの世代ではなく、皆さんのお母さん世代の作家なのかなと思うのですが、どんなかたちで萩尾望都と出会ったのでしょうか。

いずみ)
母が漫画好きで、家の本棚に手塚治虫などと一緒に並んでいました。
初めて手に取ったのは小学校低学年のときで、当時は漢字が読めなかったので、絵だけを眺めていました。

なおこ)
私も漫画好きの母がきっかけです。家に古い漫画がたくさんありました。
小学校5年生のころ、萩尾望都の「トーマの心臓」を読んだんですが、読むのに丸1日かかったのを憶えています。

めぐみ)
私は当時放映していたテレビドラマ「イグアナの娘」を見て、原作漫画を読んだのが最初でした。その時はそれが萩尾望都の作品だとは知らなかったのですが。
大学生になってから、大阪芸術大学の講義で萩尾望都の作品が取り上げられているという話を聞いて興味がわいて、「残酷な神が支配する」を読みました。

ー第1印象はどうでしたか?

いずみ)
大学生になってから「バルバラ異界」を読んだんですが、人はみんな夢の中で繋がっているという内容に感銘を受けました。
それから、主人公が親と不和を抱えている作品も多いですね。
「残酷な神が支配する」は、主人公が義理の父親から性的虐待を受けている、という衝撃的な内容でした。

ーユングの集団無意識的や、エディプスコンプレックス的なテーマが扱われているんですね。

なおこ)
心理学的な要素や内省的なテーマを扱っていて、とにかく作者の知識量がすごい!という印象です。
「半神」という短編は、たった16ページの作品なのに、すごくたくさんの要素が詰まっています。

いずみ)
「半神」の主人公は身体が繋がって産まれてきた双子なんですけど、片方が母親から愛されていて、片方が母親から憎まれているんです。そうゆう葛藤が描かれていて。

めぐみ)
「イグアナの娘」は、テレビドラマに比べて地味な印象を受けました。
テレビドラマでは毎回山場があったり、しっかり説明がされている感じなんですけど、漫画ではたんたんとストーリーが進んでいって、答えは言わずに読み手に問いかけている感じなんです。

ー萩尾望都作品の魅力というか、独自性はどうゆうところにあるんでしょうか?

めぐみ)
母親世代のころの少女漫画って、かわいくて何でもできる女の子が主人公で、その子がすてきな男の子に恋をして、自分もそんな恋がしてみたい!みたいな、女の子のお手本になるような漫画が中心だと思うんです。だけど萩尾望都の作品はそうじゃない。

なおこ)
「トーマの心臓」という作品には、一切女の子が出てこないんですよ。

ーいわゆるBL的なテーマを扱っているのですか?

めぐみ)
BLとはまた違うんです。作者が描きたいものを描く、いわゆるヤオイ的なものではなくて、「トーマの心臓」のテーマは愛だと思うんです。恋愛ではない、純粋な愛を描く為に少年を描いているんだと思います。

いずみ)
「バルバラ異界」はストーリーが予想だにしない方向に展開していって、いい意味で期待を裏切られると言うか、先が読めないんです。
作者の中にいくつかある描きたいことを繋げていって作品を生み出しているのではなく、萩尾望都の中に膨大な量の知識や描きたいテーマがあって、それがぐわーっと渦をまいて進んでいって、ひとつのものに集約していくようなイメージです。

めぐみ)
作品が一人歩きしているというか、作品自身が独自の世界を持っていて、作者もそこに関わっていっているような感じ。

ー文学的と言えるかもしれないですね。

めぐみ)
うん、そうですね。

いずみ)
「残酷な神が支配する」では、非常に重いテーマを扱っているんですが、これがまた読み進めていくと、どんどん辛い展開になっていくんです。読んでも読んでも救いが無いというか。
でも考えてみれば、この作品で扱われているテーマは、どこからか白馬の王子様的な人が現れて、すべてきれいに解決してくれるような、そんな簡単なものじゃないんですよね。
主人公の抱えている傷を考えると、安易な解決方法なんてなくて、辛いことが次々に起こるし、なかなか好転しないんですけど、最後は救いをもってきれいに終わるんです。それが凄い。

ー「ジョジョの奇妙な冒険」の作者の荒木飛呂彦が、連載中、自分の描いた敵役のキャラクター(吉良吉景)が強過ぎて、どうやっても倒せない、どうしたらいいんだ、って毎日悩んでいた、という話を聞いたことがあります。

一同)
それはすごい。笑

いずみ)
ちょっと話がそれるんですけど、「残酷な神が支配する」の主人公ジェルミと、フィギュアスケートの羽生君が重なるんですよね。笑
羽生君の演技って相当ナルシスティックだし、リンクの外でのちょっとした表情を見ていると、彼はゲイのおじさんに凄くモテるんだろうなって顔をするんですよ。笑

なおこ)
フィギュアスケートやバレエの世界には同性愛者が多いって聞きますね。羽生君のコーチも、衣装さんもゲイだって聞いたことある。笑

いずみ)
そうゆう悲しみを背負って演技しているというか、そうゆう姿がジェルミに重なる。笑

ーその話面白いですね。今日のハイライトかも。笑

ーどんな人に萩尾望都作品を読んでほしいですか?

めぐみ)
是非男の人に読んでほしいですね!

なおこ)
絵柄や少女漫画だってことで敬遠されるかもしれないけれど、読んだら絶対面白いって感じると思います!

ー最後に、今日の座談会の感想をお願いします。

めぐみ)
すごく楽しかったし、もっと萩尾望都作品を読んでみたいと思いました!

いずみ)
座談会に参加するにあたって、人に勧めたいところを言えるようにって考えてきたつもりだったんですけど、全然語り尽くせませんでした。

なおこ)
まだ全然萩尾望都の魅力を伝えられていないと思いますね。

ーでは第2回萩尾望都座談会を。

なおこ)
やりたいですね!笑

ーみなさん今日はありがとうございました。

一同)
ありがとうございました!

あとがき

座談会企画第1回目ということで、うまく進行できるか不安もありましたが、終止楽しい雰囲気で座談会を終えることができました。
座談会についての色々なアイデアも提供していただけて、今後もシリーズ化していける確信が持てました。
今回参加していただいた魅力的な女性3人、いずみさん、なおこさん、めぐみさんに心からお礼を申し上げたいと思います。

Nakanishi Masafumi

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